「明治の精神に殉死するつもりだ(以下略)」(夏目漱石「こころ」)
当初よりこのブログにおいでいただいているべにを様と「明治大正昭和初期を紐解く企画やりましょ〜!!」ともりあがり、僭越ながら、まずは僕が露払いとして、特集を始めたいと思います。*1この後、これを契機に共同企画とかやって行きたいものです。*2べにを様よろしく〜!
最初に取り上げるのは
- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1988/06/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 8回
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この作品は、高校時代の国語の教科書で読んだことから興味を持ち*3、もうずっ〜と読んでいます。*4特におもしろおかしい話ではないのですが、どうも気になる。そういう作品だと思います。
今回は内容というよりも、冒頭タイトルの「先生」の言葉に注目してみたいと思います。
この全集の解説*5では
彼(=漱石)自身は自殺しないまでも、心の体験として、長い時期にわたっての「罪」の意識を消却するためという理由をつけて、自分に代わって「先生」に自殺の機会を与えたのが「こころ」だったのである。
であるという。
でも、なぜ死ななければならなかったのか?また明治の精神とは何か?ということを考えた場合、「こころ」ではいまいち説明されていない感がある。*6「先生」と漱石の道徳性・倫理観は分かるし、その「先生」が自身の中にエゴイズムを発見して戦慄するのも分かる。でもそれだけでは「明治の精神」というものは理解できない気がする。それを浮かびたたせることをこの特集のメインテーマとして進めてみたい。出来るかどうかわからないけれど、やってみたいと思う。
次回予告:
- 作者: 小室直樹
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2003/04
- メディア: 単行本
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